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「か、か…河木くん…」 「なに?羽野」 耳元から入ってくる優しい声に頭がくらくらしする。 (こんな、近い距離…初めて…) 河木くんにとったら何気ない行動でも、僕にとったら恐ろしいレベルの行動で… (しょ、少女漫画みたい…女の子に見られたら発狂されそう……) なんて、どこか他人事のように考えてる自分がいた。 「……夏喜、そのままじゃ冬麻くん倒れちゃうよ」 「…え?」 風隼さんの言葉に河木くんは僕の顔を後ろから覗き込む。 (ち、ちか……ちかすぎる…!!!) 視界いっぱいにカッコよすぎる顔が現れ、河木くんの爽やかな匂いが一気に入ってくる。 「は…はのくん!?!?」 思わず倒れかけると、気づいたひろさんが河木くんの胸の中から急いで出してくれた。 (び……ビックリした……) ひろさんの咄嗟の行動に命が救われた気分だ。 「あ、わ…悪い、羽野」 「ぶは(笑)夏喜、絶対何が起こってるか分かってないじゃん」 風隼さんが河木くんの肩に手を置き「あー、お腹痛い」なんて言いながら爆笑していた。 ひろさんは僕の顔を覗き込むと「大丈夫?」と優しく問いかけてくれる。 河木くんは頭に「?」を浮かばせていた。 「ていうか…なんでこんな所に、はのくんとれんれんは来てるの?」 「「あ…」」 やばい、忘れてた…

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