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その日の帰り道、いつも一人で帰っていた僕は風隼さんに誘われて一緒に帰ることになった。
どうやら、河木くんとひろさんが部活の事で遅くなるらしい。
風隼さんと帰るということに抵抗はあったが、この時間帯に帰る人がいないらしく、見られたり騒がれる心配はなかったので安心した。
(部室にサッカー部員がいなくて良かった……)
今日はたまたま全員で手具の手入れをする日だったらしい。河木くんはずっと部室の中にいたけど…大丈夫だったのかな…?
「そういえば今日はごめんね?」
「…え?」
「冬麻くんの前で見苦しい所見せちゃったから(笑)」
「…あ、ケンカ…?のことですか?」
「ケンカじゃないよ?いつもひろくんとはこんな感じだから」
風隼さんはそう言いながらクスッと笑う。
(…綺麗)
そう思うほどその微笑みは美しかった。
「…あの、ひろさん…って河木くんと風隼さんの…友達?なんで…すか?」
「ひろくん?」
河木くんと風隼さんが一緒にいることは学校内でも有名な話だが、ひろさんは正直見たことない。
「いつもひろくんは部活で残ってるからねぇ」
「…そうなんですか?」
「そう、勉強は全然しないけど部活バカなの、あの人(笑)」
「そ、そうなんですか…」
「そう(笑) だから、一緒に帰ったりしてないの。周りから見たら分かんないか(笑)」
確かに…河木くんと風隼さんが仲良いことで有名なのは、下校で二人一緒だからだ。
校内で二人がいる所はそんなに見かけない。
(……風隼さんが旧校舎にいるからなんだろうけど……)
「それに、ひろくんは俺と違って友達多いから」
「…え?」
「そいつらとすぐ帰っちゃうんだよ?だったら夏喜と一緒にいた方がいいじゃん」
風隼さんが少しだけ拗ねたような表情を見せる。
(こんな素直な風隼さん…初めて見た)
見たことない風隼さんの一面にきゅんっとした。
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