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「あ、ここ!!」
「は、…はい」
ここ最近変なことばかりだ……
河木くんと友達…になったり、サッカー部のマネージャーになったり、風隼さんやひろさんと一緒に帰ったり……
今だって、なぜか人気者であるひろさんと…
二人でファミレスなんて……
(……見られたら発狂されそう)
バレた時のことを考えると体がブルッと震えるが、ひろさんは全く気にしてないみたい…
風隼さんはともかく…河木くんもひろさんも自分の人気の高さを知らなすぎる……
なぜ気付いてないのか…理解不能だ。
ひろさんに引っ張られ、半ば強引にボックス席へ座らされる。
「ねぇねぇ、何食べたい!?」
「あ、……えっと」
「今日は俺の奢りだから、ばんばん食べて!!」
………え!?
「だ、だめです!…お、お金は…払い…ます」
そんな、同い年の人に奢らせる訳にはいかない…
ましてや、ひろさんになんて……
「もう!ここは「ありがとうございます」でいいんだよ!とっきー!!」
ひろさんはそう言うとニコニコ笑いながら「高いものは無理だけどねぇ」なんて付け加える…
「……け、けど…」
「それにね?」
ひろさんが少しだけ声のトーンを落とした。
「……とっきーには辛い思いさせちゃったから…それの、お詫びもさせて?」
そんなの……、ひろさんは何にも悪くない。
むしろ、僕を助けて…くれた。
なのに……
「俺も、れんれんぐらいガツンっと言えたら良かったんだけど……ごめんね」
ひろさんは眉を下に下げ、申し訳なさそうな…悔しそうな表情を見せた。
「…あ、の…」
「だからさ!奢らせてよ!!…お詫びになんかなんないかもだけど…俺のこの…報われない?気持ちを助けると思ってさ!!」
…そんなこと言われたら、断りにくい……
きっと、これもひろさんの優しい戦術なのだろう。
相手に気を使わせない、素敵な戦術…
「…じゃあ、コーヒー…を」
「コーヒーね!了解!!」
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