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「な、なんで……ここに」
いつもとは比べ物にならないぐらい寒い今日、普段なら教室へすぐさま向かう河木くんが、何故か風当たりの強い中庭にいる。
いつもなら、教室で話しかけてくれる河木くんと中庭で話していることより、河木くんの体調が心配でならなかった。
「あ、あのさ…羽野に…「きゅ、旧校舎に向かいましょ!!」
寒さで声が吃っている河木くんを見てられなくなり、思わず声を遮ると、腕を掴み旧校舎の方へと進んで行く。
「は、羽野!?」
突然の行動に河木くんは驚いたのかびっくりした声を上げていた。
旧校舎に着くと、1番近くにあった教室へ河木くんを引っ張りながら入っていく。
扉がガラッと閉める音が響き渡る。その音に冷静さを取り戻した僕は、一気に自分のした行動に血の気が引いていった。
「は、羽野…「ごめんなさい!」
すぐさま頭を下げる。今までこんなこと無かったのに…勝手に人の腕を引っ張るなんて…ましてや、河木くんの……….。
怒られるに決まってる。
なんてことをしてしまったのだろうと後悔が募るが、後戻りは出来ず、頭を下げて謝るしか方法が見つからない。
「ぶはっ(笑)」
「……え?」
頭上から笑い声が聞こえる。
顔を上げると、そこにはお腹を抱えて笑う河木くんの姿があった。
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