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(夏喜side)
驚いた。
羽野がそんなこと思っているなんて…
(羽野がこんな格好をしているのも、それが理由なのか?)
自己紹介の時に羽野は、最近この格好をし始めたと言っていた。
ということは、中学の時は分厚い眼鏡も長い前髪も…なかったのだろう。
(何があったんだ…)
過去に何があったら、こんな風になるのか…自分を傷つけられるのは平気なのに、誰かに迷惑をかけることだけは誰よりも嫌なんて…
気になる。
羽野の過去も気持ちも本当の姿も…
「迷惑なんかじゃないよ」
羽野が少しだけ顔を上げる。
何も焦らなくていい、羽野が話してくれるその時まで…
今はとにかく、自分の気持ちを思いを伝えるんだ、羽野を安心させるだけ。
「全然迷惑なんかじゃない。むしろ、迷惑かけあうのが友達なんじゃないの?」
「……え?」
「だってそうでしょ?迷惑かけたぐらいで離れてくなんて友達じゃないじゃん」
だから羽野、どうか俺の前から消えていかないで、今の羽野を見てるといつか離れていきそうで怖いんだ。
何があったのかは分からない。
何が羽野を変えてしまったのかも分からない。
…どう変わってしまったのかさえ、分からない。
いつか羽野が話してくれるって信じてる。
…例え話してくれなくても羽野がこれ以上苦しまないよう、そばに居る。
だから、羽野…
「安心して」
「…え?」
「絶対羽野を見捨てたりなんかしないから、何があっても友達だから…だから、安心して」
これが大切な友達に出来る。俺のやり方。
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