(冬麻side) ｢迷惑かけあうのが友達｣ そんなこと、言われたことなかった。 僕は高校に入った時から、人に迷惑かけないよう…邪魔にならないよう必死だった。 まさか、”友達”といえる人が出来るなんて、思ってもみなかったから。 ましてや、こんなキラキラした人達と…… 本当に離れていかないのだろうか、本当に安心していいのだろうか、……信じていいのだろうか まだ、全て納得した訳でも完全に人を信じられる訳でもない。 めんどくさい奴かもしれないけど、やはり一度染み付いたこの性格は簡単には直せないみたいだ。 (信じたい…けど、怖い……) 風隼さんにひろさんに、河木くんにこんなに良くしてもらっているのに…友達だってハッキリと言ってもらっているのに、 変わりたいって…思っているのに…… (悔しいなぁ…) まだ、人を疑ってしまう。河木くんに見捨てられるのを恐れる自分がいる。 (大丈夫、何があっても離れないって言ってくれた…) (…けど、まさか恋愛対象で見られてるなんて思ってもないだろうな) (河木くんは見た目で判断するような人じゃない) (…けど、そんな目的で近づかれたなんて思われたら…辛いなぁ) 心の中で天使と悪魔が争うように攻防を繰り返す。 (ダメだ…なんにも考えたくない……) 頭が痛くなる。過去の記憶を、思い出してしまう……、それだけはダメだ。