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「え、か…河木くん…自炊してるの?」 「うん、そっちの方が楽だし…料理すんの好きだから」 じ、自炊できるなんて…以外だ… 掃除や勉強など苦手な河木くんだから、勝手に家事とか苦手だと思っていた。 初めて知る河木くんの新しい情報にきゅんっとする。 「羽野は毎日パンだよね?」 「あ、うん…料理…出来ないから…」 自炊出来る河木くんに言うのは、少しだけ気が引ける。 「え?お母さんが作ったりは?」 「あ、僕…一人暮らし…だから」 僕の言葉に河木くんが目を見開く。 「え、羽野って一人暮らしなの?」 「う、うん」 「…だからいつもパンなんだ…」 なんだか恥ずかしくなってまた顔を下に俯かせてしまった。 「羽野?……おーい、どうしたの?」 河木くんが僕の前で手をひらひらさせる。 (今顔上げたら、絶対顔赤い……) どうしようかと焦っていたら 「あ、…あの、ご注文は…」 「「……え?」」 平日の昼間、誰も来てないファミレスの中でメニューを開く素振りが全く見えなかったからか、定員さんが痺れを切らして声をかけてきた。

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