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「あ、すみません!」
河木くんが定員さんに謝りながらメニューを開く。
定員さんは少しだけ怪訝そうな顔をしたがそのままお店の裏へ帰っていった。
「……食べようか?」
河木くんがニコッと笑う。
それに対して僕は首を縦に降った。
「……何食べよーかなぁ」
うーんと唸りながら真剣にメニューを見る河木くんに思わず頬が緩みそうになる。
「羽野は?決まったの?」
「う、うん…ミートスパゲティに…しようかな…」
「うわぁミートスパゲティもいいなぁぁ…好きなの?ミートスパゲティ?」
「あ…うん、……いつも…食べてる、んだ」
「へぇ〜新しい羽野発見だぁ」
そう言うと河木くんは頬杖をつきながらニコニコと微笑む。
(……まただ)
甘い雰囲気が周りを包み込む。
「今度美味しいミートスパゲティ食べにいこうよ、めっちゃオススメのとこあるから」
「あ、…ありがとう……ございます…」
雰囲気に耐えきれなくなって眼鏡をクイッと上げる。
「そうだ!羽野が良かったらなんだけど、お弁当作ってくよ!」
「………え?」
「いつもパンばっかりだったら健康に悪いでしょ?それに、そんな食生活してるなんて…ヒヤヒヤして見てらんない」
そ、そんなこと……
「だ、ダメです……よ……」
「なんで?」
なんでって……
「言っとくけど、俺に迷惑だからなんて理由は通用しないからね」
「えっ…」
河木くんは意地悪そうにヒヒッと笑った。
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