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(夏喜side)
俺が「迷惑」って言葉を封印したら羽野があたふたと慌て出す。
(可愛いいなぁ)
最近、羽野を見て可愛いと思う気持ちが止まらない。
(こんなピュアなの…天然記念物なみだ)
陽斗とはまた違うピュアさにずっとキュンキュンさせられる。
「それに、弁当なんて一つや二つ変わんないからね」
「そ、そんなこと…」
「どうせその日の夜ご飯や次の日の朝ごはんになるんだから(笑)」
これは本当、正直作るにしても余りまくるから逆に羽野に食べてもらった方がありがたい。
「ほ、ほんとに……いいの?」
羽野がチラッと俺の顔を見てくる。
「ぜひぜひ!むしろありがたい(笑)」
人に甘えることが苦手な羽野は誰かに頼ったりなどしない。
(わがまま言う羽野とか見てみたいんだけどなぁ)
それに……
「敬語、外れてるね」
「…え?………あっ」
「めっちゃ嬉しいよ」
実はずっと気にしてた、羽野が俺に対して敬語なところ。
蓮や陽斗に対しても敬語だけど、なんだか壁があるみたいで少しだけ悲しかったから、凄く嬉しい。
「これからは、敬語なしでね」
「…え、っと」
「敬語以外は受け入れないから」
「わ…分かっ…た」
少し強引かな?……けど、これぐらい良いよね?
陽斗が「とっきーに敬語ダメって承認してもらってなーい!!」と叫んでいたことを思い出していた。
…蓮も陽斗も羽野と距離縮みすぎなんだから、これぐらい先に貰ってもいいよね?
たぶん、敬語以外で話して欲しいのは、俺のちょっとした独占欲。
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