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「ミートスパゲティと目玉焼きハンバーグです」 タイミング良く定員さんが料理を持ってくる。 「……美味しそ」 ここのファミレスに来てミートスパゲティを頼むのは初めてなのだろうか、羽野は思わず声が漏れたようだった。 「ここのファミレス、ミートスパゲティがめっちゃ美味いって有名なんだよ」 俺がそう教えると羽野は少しだけウキウキしたような表情をする。 …他の人からはわかんないだろうけど(笑) (早く食べたそうにうずうずしてる(笑)) ほんの少しだけ忙しなそうに体を揺らしながらミートスパゲティをじっと見つめる羽野は可愛い。 (食べていいのに…多分俺が食べるのを待ってるんだろうな) さっきまでの気まずい空間はなく、羽野はミートスパゲティに釘付けだった。 「いただきます!」 俺が手を合わせてそう言うと羽野も手を合わせる。 「…いただきます」 俺に続けてそう言うと、羽野は布巾で手を拭き、フォークとナイフを俺に渡した。 「ありがとう!」 俺が笑いながらそう言うと羽野はまた、下を向く。 (なんで下向いちゃうんだろう?) その後は決まって眼鏡をクイッと上げるんだ。 (可愛い(笑)) 羽野がミートスパゲティを口いっぱいに頬張る。 少食なのかなと思っていたが、そうではないみたいだ。 (食べ方綺麗…) もぐもぐとミートスパゲティを頬張っているのに羽野は綺麗に食べ進めていく。 (育ちがいいのかな?) またまた知れた新しい羽野の一面にきゅんっとした。 けど… 「羽野、美味しい?」 「…………」 頬張りすぎて俺の問いかけに答えられないみたい(笑) もぐもぐと可愛らしく食べながら首を縦に降ってくれた。

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