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(冬麻side) びっくりするぐらいおしいしミートスパゲティに手も口も止められない…… (こんな美味しいミートスパゲティ…初めてだ) 感動のあまり口いっぱいにほおりこんでしまい、河木くんからの問いかけに答えられない。 (……恥ずかしい) 今日は恥ずかしい思いをばかりだ。 (河木くんに、どう思われてるんだろう…) どんくさいやつだって思われたら、嫌だなぁ… (ダメだ、またネガティブになってきてる) せっかく少しだけ気まずかった雰囲気も美味しいミートスパゲティのおかげで消えかけてるというのに…… 「あ、羽野口についてる」 「…っん」 河木くんが笑いながら自分の口を指さした。 (は、恥ずかしすぎる……) なんて今日の自分はついてないんだろうか…。 顔が真っ赤になるのを感じたが、さすがに下を向くのは失礼すぎる… 下を向きたいのを必死にこらえて自分の口を布巾で拭った。 「ふはっ(笑)そっちじゃないよ」 どこか聞きたいが口に入ってるミートスパゲティのせいで聞けない。 (こんな時に限って………) 昔っからの自分の癖を今になって恨みながらさっきとは違う場所をゴシゴシと拭き取る。 「あ〜もう、そんなゴシゴシしたら傷んじゃうよ?それに、もうちょっと下だし(笑)」 えええ…もうちょい下って……どうやったらそんな下につくんだ…… 色々と疑問になりながらさっきよりも下を拭き取ろうとすると 「貸して?」 (……え?) 河木くんは僕の持っていた布巾を奪い取ると、座っていた椅子から立ち上がり、顔を近づけた。

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