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「ごちそうさまでした!」
河木くんはハンバーグを綺麗に平らげるとパチンッと音を鳴らしながら手を合わせる。
「……もぐ」
一方僕は、まだミートスパゲティを平らげられずにいた。
「…ご、ごめんなさい…遅くて…」
申し訳なくて急いで口の中にあるスパゲティを噛む。
「そんなに慌てないでいいよ!俺もゆっくりしてたいし(笑)」
そう言いながら河木くんは鞄の中から本を取り出し、「読んでてもいい?」と優しく聞いてくれた。
(…紳士だ)
河木くんは相手に気を使わせないためにサラッと紳士な対応を取ってしまう。
本当に今、本を読みたかったのかどうかは分からないけど…自分のペースで食べていても良いんだって僕を安心させた。
僕はもう一度ミートスパゲティを食べる為にフォークでスパゲティをクルクルと巻く。
そのまま口を開け、パクリと一口で入れ込んだ。
「羽野ってめっちゃ噛むよね」
「…ふぇ?」
口に入れたままだから変な声を出してしまう。思わず口元を手で押えた。
「ハハッ(笑)めっちゃ口いっぱいに含める割に、飲み込むの早くないんだなって思ってさ(笑)」
河木くんは「また口に着くよ?」なんて言いながら口がいっぱいになってる僕をみてニコニコと微笑む。
「む、昔からの…癖で…」
ごくんと飲み込むと、僕は微笑む河木くんの斜め下ら辺を見ながらそう答えた。
「へぇ、……喉つまらせないでね?」
少しだけ河木くんが心配そうな表情を見せる。
「だ、大丈夫…だよ」
そんな所まで気にかけてるなんて…なんだか僕は世話焼きなお兄ちゃんと一緒にいるみたいだった。
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