110 / 437

┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈

ご飯を食べ終え、ファミレスから出るともう夕方になっていた。 「今頃陽斗とかは部活かなぁ」 「だ、大丈夫…なの?」 「なにが?」 「部活……行かなくて…」 河木くんは教室で一緒にご飯を食べていた時、部活の話をキラキラした目でよく話す。 きっと、部活が大好きなんだろう。 …なのに、サボるなんて…大丈夫なのだろうか 「大丈夫だよ?…たぶん(笑)」 「た、たぶん…って…」 「今、俺が部活に行った所で、たぶん喧嘩しちゃうから(笑)」 少しだけ肩を震わせる。 (僕のせいで…仲…悪くなってるの…かな) 「…言っとくけど、羽野のせいじゃないからね?」 「…え」 河木くんはニコッと笑い「公園寄らない?」と近くにあった公園を指さした。 「は、…はい」 公園の中に立ち寄ると風が一気に吹き荒れる。 「ざ…ざむい……」 河木くんはそう言うと自分で自分を抱きしめながら、ベンチに腰掛けた。 僕も慌てて隣に座る。 「だ、大丈夫…?」 河木くんが寒さに弱いこと、そして今日はいつもよりも寒い事を思い出した。 「大丈夫!…だと思う…」 元気よく答えてくれるが少しだけ声が震えていて、不安に駆られた。 「な、なんか…暖かい飲み物…とか、……い、いる?」 お節介かな?と思いつつ恐る恐る聞くと。 「ほ、…欲しい…」 と河木くんが答えてくれたので、公園内にあった自販機へ向かった。 (確か…河木くんって甘いの苦手だったよね) 女の子が河木くんにココアをあげていたことを思い出す。 (コーヒーとか…いけるのかな…) 今から聞きに行こうかと思ったが、寒さに震える河木くんを直ぐに助けたくて今買おうと決意する。 (ミルクティーなら…いけるかな?) そう思い、ミルクティーと自分の分のココアを自販機で買い、河木くんの元へ向かった。

ともだちにシェアしよう!