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ファミレスに入ってからは風隼さんが黙々と筆箱やノートの準備をしだす。
(だから風隼さんが河木くんに「やばいんじゃないの?」って言ってたのか…)
僕は風隼さんを見ながら、先程言っていた謎が解決し、一人納得していた。
「べ、勉強…すんの?」
「はぁ?当たり前でしょ?このままじゃ夏喜留年だよ?」
風隼さんの言葉に河木くんがしゅんっと小さくなる。
(そ、そんなに…やばかったんだ…)
河木くんが勉強を得意ではないことを知ってはいたが、そこまでとは思ってなかったのでびっくりする。
「ねぇねぇ!ドリンクバー頼もうよ!!」
「言っとくけど、ひろくんの方が夏喜の何倍もやばいんだからね!」
ニコニコしながらドリンクバーを指すひろさんに、風隼さんは一喝した。
「えええええ!!…そんな事言われても…勉強分かんないよ…」
「だから冬麻くんがいるんでしょ」
「……え?」
突然話を振られ、思わず声を出す。
「あぁぁ!!なるほど!!!れんれんかしこーい!!」
風隼さんの言葉にひろさんは「さっすがー!」と言いつつ、風隼さんに抱きついた。
「…はぁ、バカってなんですぐ抱きつくんだろ……」
(いや、…スキンシップ激しいのは風隼さんも同じなんじゃ……)
心の中でツッコミ嬉しいつつ、僕なんかが教えられるのか不安になる。
「あ、大丈夫だよ冬麻くん。夏喜とひろくん、中学生並みだから」
「……え?」
僕の心を見透かしたように、笑いながら伝えてくれる。
「いや、ひろくんに関しては小学生…「余計なこと言わなくていいのぉぉぉ!」
後ろから抱きついたまま、ひろさんは風隼さんの口を塞いだ。
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