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「はぁぁぁ……わかんない……」
そう叫びながら河木くんは机の上に傾れ落ちる。
「…ちょっと、夏喜?やばいって自分で言ってたじゃん」
「いや、…そうなんだけど「じゃあやって」
風隼さんはガツンッと一言言い放つとコーヒーを1口飲む。
(…ブラックなんて、大人だ…)
高校生でコーヒーを飲む人をあまり聞いたことがない。ましてやブラックなんて…可愛らしい見た目とのギャップに僕はびっくりした。
「…ん?どうしたの?冬麻くん」
「あ、…いや」
僕の視線に気づいたのか、風隼さんは首を傾けて聞いてきた。
「か、…風隼さんは…やらなくて、いいん…ですか?」
「うーん、俺は別に苦手じゃないし、この二人の監視係なだけだから」
学校をいつもサボってるのに、勉強が分かるなんて…凄いなぁ
僕も勉強が苦手ではないが、それは必死になってるだけ…1度休んでしまったら理解できなくなってしまう。
(こういう人が、本当に頭のいい人って言うのかな…)
そんなことを思いながら僕はミルクの入ったコーヒーを1口飲んだ。
「…そう言えば…ひろさん、は…?」
トイレに行くと言ってから一向に帰ってくる気配がない。
「……あんのやろ…」
小さく風隼さんはそう呟くと「ちょっと待っててね?」と僕に伝え、トイレの方へ向かっていった。
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