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(蓮side) トイレに行ってから一向に帰ってこないひろくんを見に、トイレへ向かう。 (絶対勉強嫌で篭ってんだろな…) 相変わらずな行動を想像し、ため息が出た。 「……ひろくん?」 ガタガタッ (………) 俺の声に焦ったのか、トイレの中から慌てた音が聞こえてくる。 (……はぁ) 「ひろくん、出てきてよ」 「……と、トイレしてるから…出れない」 …声上擦ってんじゃん 「なに?大?」 「だっ、大って!れんれん、はしたないよ!!」 「はぁ?はしたないって、人に見え見えの嘘つく方がはしたないでしょ!」 「なっ、なっ!う、嘘なんか…「分かりやすすぎ」 ガタンッ (……はぁ) まさか、ほんとにバレてないとでも思っていたのだろうか… (この光景何回目だよ…) そう…テスト前はこうしてひろくんを連れ出し、一緒に勉強をするのだが…毎回嫌になってはトイレへ引きこもる。 (これで、嘘ついてないってよく言えるよな…) むしろ同じやり方を突き通せるひろくんが凄いよ…… 「もう、許してあげるから出てきてよ」 「……やだ」 「やだって…」 はぁ……面倒くさ…… こうなってはひろくんは面倒臭い。 (仕方ない…) いつも同じ方法で逃げるひろくんにいつもと同じ方法で捕まえてやろうと思った。 (ホントは嫌なんだけど…) はぁっとため息をつき、トイレをじっと見つめる。

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