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┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
「……ねぇ、ひろくん?やっぱ出てきてくんないの?」
ガタッ
「寂しいなぁ…ひろくんがいないと…」
ガタッガタガタッ
「せっかくひろくんと一緒にいる時間ができたと思ったのに…」
ガタッガタガタガタッ
「ほら、ひろくんって色んな人と仲良いから…一緒いれなくて寂しかったんだよ?」
ガタンガタガタガタッガタガタガタッ
「けど、…ひろくんは違ったみたい……」
……シーン
「そうだよね、ひろくんは俺なんかと違って友達いっぱいいるし、そいつらといた方が楽しいよね」
「…………」
「…じゃあ、俺夏喜のとこ行くね…バイバイ」
バタッ
扉が思いっきし開く音…
(……来る)
「れんれぇぇぇん!!!!(泣)」
ガバッ
「ぐっ…ぐるじい……」
ここまでがいつもの流れなのだが、やはりひろくんからの強すぎるハグは全く慣れない。
「あ!ごめんねぇ!!」
ひろくんがパッと手を離す。
「し…死ぬかと思った………」
俺は一気に酸素を取り入れ、息を必死に整えた。
「ごめんね?」
ひろくんは腰を低くしゃがみこむと俺の髪をクシャッとする。
(しゃがんで俺の身長とか…嫌味かよ……)
それに、髪の毛クシャクシャするのも…子供扱いみたいでイラつく……
「俺はれんれんだけでいいんだよ?」
「……」
「れんれんがいてくれたらなーんにもいらない」
「……知ってる…」
俺が計算で言ってるような言葉も行動も…軽々と超えていくから、何だか悔しくなって言い返すこともめんどくさくなる。
「ほんとにごめんね?」
(謝るぐらいなら、初めからすんなよ…)
けど、クシャクシャしてくれる手が気持ちいいから…許してあげる。
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