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┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
ガシッ
(……えっ)
「ちょっと借りるね」
「…は?…えっ、ちょ…」
涼に腕を思いっきり掴まれるとそのまま逆方向へ突き進んでく。
「ま、待って…よ!」
が、驚いた顔のままの河木くんが掴まれてない方の腕をギュッと掴んだ。
「……誰?このイケメン」
涼が河木くんの顔を見ながら僕に問いかける。
「あ、えっと…か、河木くんって…言って…「冬麻の彼氏?」
な、なっ、なっ………
「ち、違うから!」
思わず大声で否定してしまった。
「ふーん、ちげーんだ…じゃあ知んない」
「うわっ…」
涼は一言そう言い放つとさっきよりも強い力で腕を引っ張る。
その反動で河木くんの掴んだ手が離れてしまった。
「りょ、涼!」
「なに?文句なら聞かないよ?」
「……」
相変わらず変わらない…
おっとりしていて静かなのに、少しだけ強引なところ
誰にも理解出来ない行動や突拍子のない行動を取るとこ
普段ボーッとしてるのに…僕のことになると、必死になるところ
高校になっても、モテてんのかな…
そりゃ、モテるか…
中学の時から少し、人と違った考えをもち、独特の感性をもった涼に思いを寄せる人は多い。
ふわふわと柔らかい雰囲気を漂わせつつ、ミステリアスで不思議なオーラも兼ね備えている涼は、自然と人を引き寄せる。
僕も、その中の1人だった。
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