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どうして、どうしてあなたは…悲しそうな目をしているの…?
まるで、「裏切り」というテーマが紅月 涼自身を指すように…自分を否定しているかのようなその瞳に…俺が初めてタチアオイの作品を見た時と、同じ衝動に駆られだす。
‘この作品を… ’ (この人を…)
‘(もっと知りたい…) ’
「……知りたいんだ」
「…え?」
「タチアオイという作品がもっている寂しさを」
「……」
「確かに、タチアオイは裏切りがテーマになっている…タチアオイの花言葉、「大望」「野心」「気高く満ちた美」…それは一件完璧な花の様に感じるけど、そうじゃない」
「………」
「作品の中ではそんな完璧だと思われてるタチアオイが、様々なものを他の花から奪い取っていくのがストーリーとして描かれている。」
紅月 涼は真剣な目のまま、俺の顔をじっと見つめた。
「奪い取ったものは、財産や土地、他の花びらから夢まで…、それに怒った花達はタチアオイを復讐するために立ち上がった」
一体、目の前にいるあなたは何を考えているの…何を思い、何をしようとしているの?
「タチアオイから全てを奪い返し、復讐に成功した花達は今までとは違い、タチアオイを上から見るようになる」
あなたの、心の深いところを知りたい。
「「君には気高く満ちた美があるから、何もいらないだろう?」花達はタチアオイにそう言い放つ…、それに対してタチアオイは「裏切りもの」それだけを言い放ち、どこかへ消えていった」
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