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(蓮side) 幼なじみである俺でさえ見たことない夏喜の姿に、正直戸惑った。 (…冬麻くんのことなんだろうけど) 何があればこんな風にさせてしまうのか、意味がわからない… そもそも、夏喜は冬麻くんのことが好きなのか?…それさえもよく分かってないのだろう… 何しろ恋愛に関しては誰よりも鈍感な夏喜のことだ。 (冬麻くんが哀れで仕方ない…) こんな鈍感野郎に恋に落ちるなんて…同情してあげるよ。 …俺も他人事ではないが…… 「帰ってきたよー!」 手を洗い終えたひろくんと夏喜がリビングに帰ってくる。 「おかえりー」 それだけ返し、先程買ってきたコンビニのお惣菜をお皿の上に並べた。 「いっただっきまーす!!」 「頂きます」 俺とひろくんはそう言うとお皿の中に並べられたお惣菜を食べていく。 「……食べないの?」 全く手をつける気配のない夏喜に無理やり唐揚げを食わした。 「っ!?」 「ちょ、ちょっと!れんれん!?」 「食え、死にたくなかったら」 俺はそう言いグイッと口の中に押し込む。 「い、いやいや!それこそ窒息死でつっきー死んじゃうよ!!」 隣でひろくんがあわあわとしていたが、夏喜は口を動かし唐揚げを飲み込んだ。 「……お前ほんと、殺す気か…」 「はぁ?女々しい奴は嫌いなの、嫌われたくなかったら食え!」 夏喜のお皿のなかにお惣菜をどんどん入れていく。それを見てひろくんが慌てていたが夏喜はぶはっと小さく笑い 「なんで陽斗が慌ててんだよ(笑)」 と言った。

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