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(冬麻side)
昼休み…
「羽野、一緒に食べよ」
いつものように河木くんが声をかけてくれて、僕は作ってくれたお弁当を貰う。
「今日はね、オムライスにしたんだ」
「お、…オムライス?」
「そう、オムライス」
そう言いながら河木くんはニコッと笑う。
(オムライスまで作れちゃうなんて…)
男子高校生なのに、まるでプロの主婦だ。
「あ!つっきー!!とっきー!!」
教室の外から、いつもは聞こえない声が聞こえてくる。
「あ、ひっひろさん」
「俺も一緒に食べていー!?」
ひろさんの後ろで風隼さんが呆れ返っていた。
「いいよね?」
河木くんの質問に僕は首を縦に振る。
「やったぁぁ!!」
そう叫ぶと物凄い勢いで僕らの元へ駆け寄ってきた。
「ほんと、煩くてごめんね…このバカが…」
「ば、バカじゃないい!!!」
「いいよ(笑)慣れてるし」
今日はひろさんも加わったことがあり、いつもより女子達が浮き足立っている。
その光景を見ると、毎度僕が一緒にいていいのか不安に駆られるが、そんな時は決まって
「羽野!美味しい?」
…キラキラ笑顔で河木くんが話しかけてくれるんだ。
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