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その日の放課後、河木くんとひろさんは加藤先生に用があるらしく久しぶりに涼と二人で帰ることになった。風隼さんのことを待っていたが「れんれんなら旧校舎で寝てるよぉ」とひろさんから教えてもらい、迷ったが先に帰ることに。
「…冬麻の友達、いい人達で安心した」
「…でしょ?」
「うん、冬麻が元気なのも納得いく」
涼はそう言うとふわっと微笑む。
「……あの人達のおかげ」
「え?」
「……俺、もっと、…酷かったと思う」
「……」
「今だって……涼から、したら前の俺とは違う…でしょ?」
「……うん」
「けどね…だいぶマシになったんだ…これでも」
初めは、何も期待してなかった。
新しい学校生活にワクワクするなんてのはもちろん、不安や恐怖さえも無いに等しかったかもしれない。
(……自己紹介は怖かったけどね…)
感情なんて、捨ててきた。
中学校に…全て置いてきた……つもりだったんだ。
向日葵に出会うまでは。
心が全て奪われていった。
初めてだった、一目見ただけで…心が痛いぐらいに震えたのは
衝撃だった、見た瞬間…
探し求めていた
「向日葵」だと思ってしまった自分が
あの日、涼の絵に描き加えた「向日葵」だと、思ってしまった自分が……
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