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第12章 feeling ~感情~
放課後…
「テストの点、前より上がってたよおお!!!とっきー…ありがとおおお!!!」
ファミレスでひろさんに抱きつかれていた。
「ちょっと…上がったって言っても、赤点取ってんじゃない」
「け、けど…赤点三個だけ……」
「ゼロになったらいいなさいよ」
風隼さんは「はぁ」と小さくため息をつく。
「まぁ、陽斗の割には頑張ったと思うよ」
「つ、…つっきー……」
ドンッ
「ぐえっ」
「だいずぎだよぉぉぉぉぉ(泣)」
目を真っ赤にさせたひろさんは河木くんに思いっきし抱きついた。
「ふふっ」
その光景を見ながら涼はふわりと微笑む。
「…陽斗は勉強苦手なの?」
くすくす笑いながら涼は風隼さんに問いかけた。
「苦手も何も…東雲学園一のバカ」
「れ、れんれん!!」
ひろさんが思いっきし風隼さんの口を抑え込む。
抵抗する風隼さんを他所に「な、何でもないよぉ!!」と顔を真っ赤にさせて言った。
「…涼さんにはバレたくないんだって、成績悪いこと」
河木くんがこっそりと教えてくれる。
(あ、そうだったんだ…)
ひろさんにもそんな一面があるなんて…びっくりした。プライドとかない人だと思っていたから。
「んん!…この人、涼くんに憧れてるから!!」
「ちょっ、れ…れんれん!?!?」
ひろさんの手から抜け出し、思いっきし息を吸った風隼さんは思いがけないカミングアウトを落とし込む。
僕も河木くんも…涼もポカーンと口を開けた。
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