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「…え、ごめん…初耳なんだけど…」
「そりゃそうじゃん、俺にしか話してないんだから」
河木くんの言葉にも風隼さんはバサッと切り裂く。その姿はどこかしら怒っているようにも感じられた。
「な、なんでそんな不機嫌なの??」
(か、河木くん…そんなストレートに言う!?)
河木くんにとったら、気になったから聞いただけなんだろうけど、風隼さんにそれ言っちゃったら……
「不機嫌じゃないし!バカ夏喜!!」
「いっ……!」
顔を真っ赤にさせた風隼さんは、そう叫ぶと思いっきし河木くんの足を踏みつける。
「勝手に苦しんどけ!!」
最後にそう吐き捨てると河木くんの隣を去り、僕の隣を座る涼に抱きついた。
「ちょ、れんれん!!!」
「うっさい!バカ!!」
慌てふためくひろさんを他所に、涼は抱きつく風隼さんの頭を優しく撫で、ふわっと微笑む。
「素直になればいいのに」
涼は小さくそう呟くと僕に「ねぇ?」と共感を求めた。
何のことか分からなくて、僕は首を傾げる。
「まぁ、素直になんなきゃいけないのは…こいつだけじゃないか(笑)」
そう言う涼の視線の先にはこちらをじっと見つめる河木くんの姿…
バチンと目が合うと気まずそうに目を逸らされた。
(…え?)
「ふふっ、意外と脈アリなんじゃない?」
涼は僕の耳にそう呟くと「ココア取ってくる」と笑って言う。風隼さんを優しく剥がし、ドリンクバーへと向かった。
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