165 / 437

┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈

「…え、ごめん…初耳なんだけど…」 「そりゃそうじゃん、俺にしか話してないんだから」 河木くんの言葉にも風隼さんはバサッと切り裂く。その姿はどこかしら怒っているようにも感じられた。 「な、なんでそんな不機嫌なの??」 (か、河木くん…そんなストレートに言う!?) 河木くんにとったら、気になったから聞いただけなんだろうけど、風隼さんにそれ言っちゃったら…… 「不機嫌じゃないし!バカ夏喜!!」 「いっ……!」 顔を真っ赤にさせた風隼さんは、そう叫ぶと思いっきし河木くんの足を踏みつける。 「勝手に苦しんどけ!!」 最後にそう吐き捨てると河木くんの隣を去り、僕の隣を座る涼に抱きついた。 「ちょ、れんれん!!!」 「うっさい!バカ!!」 慌てふためくひろさんを他所に、涼は抱きつく風隼さんの頭を優しく撫で、ふわっと微笑む。 「素直になればいいのに」 涼は小さくそう呟くと僕に「ねぇ?」と共感を求めた。 何のことか分からなくて、僕は首を傾げる。 「まぁ、素直になんなきゃいけないのは…こいつだけじゃないか(笑)」 そう言う涼の視線の先にはこちらをじっと見つめる河木くんの姿… バチンと目が合うと気まずそうに目を逸らされた。 (…え?) 「ふふっ、意外と脈アリなんじゃない?」 涼は僕の耳にそう呟くと「ココア取ってくる」と笑って言う。風隼さんを優しく剥がし、ドリンクバーへと向かった。

ともだちにシェアしよう!