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(夏喜side)
涼さんの発言に俺も蓮も陽斗も…驚きを隠せないでいる。
当の本人は「忘れてた」とでもいうように口をポカーンと開けていた。
「い、いやいやいや!!冬麻くん教えてよ!」
「え、…い、言わなくても…いいかなって…」
羽野の衝撃発言にまた、俺たちは目を見開く。
(…そういえば、羽野ってそういう奴だよな)
自分の事を自ら語らない、そういう人だ。
分かっていながらも、事前に聞いてなかった自分が悔しい。
「ってことは、12月14日が誕生日?」
陽斗の問いかけに羽野はコクリと頷く。
(まじか…なんも買ってないじゃん……)
せっかくの友達の誕生日なんだし、プレゼントは絶対あげたい。本当はサプライズもしたい程だ。
っていうか、
「涼さん…聞くの遅すぎません?」
今まで一度も話してこなかった涼さんに思わず聞いてしまう。
「え?だって三日前でもいけんじゃん」
(な、…なにがいけるんだ……プレゼントを買うことが出来るってこと??)
「そりゃ、そうだけど…「まぁ、欲しいものはだいたい分かってるし」
涼さんの発言に一瞬肩が揺れる。
(…以心伝心ってことですか??)
思わずそう聞きそうになって、口を抑えた。
「…河木くん?」
羽野が心配そうに首を傾げて俺の方を見る。
その隣で涼さんが余裕そうな笑みを浮かべた。
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