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バカな夏喜。 そんなにピリつくなら、言っちゃった方がいいのに。…まぁ、そんなこと出来てたらこんな事になってないか。 またどうせ、「余裕そうな笑み」とか涼さん見て思ってんだろうなぁ…もう、付き合ってらんない。 「…で、何が欲しい?」 「……え?」 「誕生日、何が欲しい?」 俺の問いかけに何故か冬麻くんがピシッと固まる。 (……どうした?) 思わず冬麻くんの顔の前で手をヒラヒラとさせた。 「え、あ…あの……」 ハッとした冬麻くんは少しだけ俯く。 俺は欲しいものを答えてくれるんだと思って、少しだけ前のめりになった。 「く、…くれるん…ですか?」 「………は?」 冬麻くんは何を言っているのだろう。 「え、当たり前でしょ?」 逆にここまで来て何もあげないとか…なしよ? ひろくんもうんうんと首を縦に振る。 「…もしかして、プレゼントとか貰ったことないの?」 夏喜が恐る恐るそう聞いた。 「…えっと」 言いにくそうに視線をキョロキョロした後、助けを求めるように涼くんに縋り付く冬麻くん。 それに対して涼くんは安心させるよう、ふわりと微笑んだ。 「…りょ、涼にしか…貰ったこと……ない」 「…え?」 「誕生日…プレゼント……」 涼にしかって…… 「親…からは?」 俺の問いかけに首をぶんぶんと横に振る。 (……初めて聞いた、親から…誕生日プレゼント貰ったことない人…) 「あ、け…けど…な、慣れてる…から」 いや、慣れてる慣れてないの…問題じゃ…… バンッ 「「「「!?!?」」」」 突然ひろくんがファミレスの机を叩いて立ち上がる。 俺たちだけでなく、ファミレスに来ていた他のお客さんもびっくりした顔でこっちを見てきた。 「そ、そんなのダメだよ!!」 「……え?」 ひろくんが冬麻くんの顔を勢いよく見る。 「しよ!!誕生日会!!!」 辺りがシーンと静まり返る。 (…ひろくんにしては、いい考えじゃん) 一人興奮してるひろくんを見て、俺はニヤリと笑った。

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