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その後、慌てまくる冬麻くんを軽くスルーして、半ば無理矢理誕生日会をする事となった。
本当は当日にやりたかったけど、準備に時間がかかるのと、当日が木曜日なので、時間がある土曜日に開催することに。
夏喜とひろくんの部活の方が気になったが、グラウンドが今使えないらしく、冬休みから復活するらしいので安心した。
「それにしても…やっぱつっきーってとっきーのこと好きだよね?」
今はファミレスからの帰り。
いつもは夏喜も一緒だが、母親に一人暮らしの姉の家を見に行ってやってくれと頼まれたみたいだ。…あ、夏喜の姉はモデルやってて、表紙を飾るぐらいの有名モデル。やっぱり親としたら独立してるとはいえ、娘の一人暮らしともなると心配なんだろう。親が行くと怒るらしいので、たまにこうやって夏喜を派遣させるらしい。
なので、今はひろくんと二人っきりだ。
「…そうなんじゃないの、気づいてないけど」
「やっぱり!!」と隣で興奮気味に叫ぶひろくん。あのひろくんでさえ気づいてるんだ、…何故当の本人は気づかない…。
「けど、何でだろうねぇ」
ひろくんの言葉に思わず「え?」と返してしまう。
「なんで、とっきーなんだろう。…だって、つっきーが付き合ってきた子達とタイプが違いすぎる」
…たしかにそうだ。
夏喜が付き合ってきた子達はどれも、周りが何も言えないほどの可愛らしい女に可愛らしい男。誰が見ても魅力に溢れている明るい子だった。
なのに…
(…真逆すぎる)
第一、夏喜が興味をもった時点で驚きだった。
人を見た目で判断するなと言うけど、あの河木 夏喜の好きな人ともなると、話は別。
それは、今までの夏喜を見ていたからこそ言えること。
(冬麻くんと出会ってから…驚くことばかりだ)
応援はしていたし、素直で、これ以上ない位のいい子だけど、まさか夏喜も好きになるとは思わなかった。
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