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(冬麻side) 次の日の朝、 「…で、何が欲しいの?」 クラスで河木くん達に質問攻めされていた。 (な、何が欲しいのって……) クラスメイトがチラチラとこちらを見ている。 「いつになったら目を覚ますんだ」そう言われているようで、何だか申し訳なくなった。 「ほ、…欲しいものは…特に……」 「りょーやんはだいたい分かるって言ってたじゃん!!」 そ、それは…… 「それに、昨日メッセージ送ったら、あげるもの決まったって涼くん言ってたよ」 風隼さんの言葉に「えええ!」とひろさんが叫ぶ。 「…え、えっと……」 僕はなんて説明したらいいのか分からなくなり、慌てまくった。 「ねぇ羽野…」 河木くんが僕の手をギュッと握る。 (!?!?) 「…俺たちじゃ、力不足?」 びっくりして手を引っ込めそうになったが、目をうるうるさせてそんな事を言うから… (か、かわ…) 心がきゅんっと高鳴った。 「………」 そのまま何も言わずにじーっと見つめる河木くん。 「ほ、…ほんとに……欲しいものは……なくて」 「けど、涼くんには言ったんでしょ?」 「そ、…それは…毎年……同じとい、言います…か 「……同じ?」 「……絵を」 「「「絵?」」」 「…りょーやんって絵得意なの?」 「あ、…えっと……」 別に、隠してる訳じゃないけど…勝手に正体を明かすようなことしていいのか…分からなくて戸惑う。 けど、これ以上誤魔化しきれなくて、河木くん達に涼の正体を明かした。

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