170 / 437
┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
(冬麻side)
次の日の朝、
「…で、何が欲しいの?」
クラスで河木くん達に質問攻めされていた。
(な、何が欲しいのって……)
クラスメイトがチラチラとこちらを見ている。
「いつになったら目を覚ますんだ」そう言われているようで、何だか申し訳なくなった。
「ほ、…欲しいものは…特に……」
「りょーやんはだいたい分かるって言ってたじゃん!!」
そ、それは……
「それに、昨日メッセージ送ったら、あげるもの決まったって涼くん言ってたよ」
風隼さんの言葉に「えええ!」とひろさんが叫ぶ。
「…え、えっと……」
僕はなんて説明したらいいのか分からなくなり、慌てまくった。
「ねぇ羽野…」
河木くんが僕の手をギュッと握る。
(!?!?)
「…俺たちじゃ、力不足?」
びっくりして手を引っ込めそうになったが、目をうるうるさせてそんな事を言うから…
(か、かわ…)
心がきゅんっと高鳴った。
「………」
そのまま何も言わずにじーっと見つめる河木くん。
「ほ、…ほんとに……欲しいものは……なくて」
「けど、涼くんには言ったんでしょ?」
「そ、…それは…毎年……同じとい、言います…か
「……同じ?」
「……絵を」
「「「絵?」」」
「…りょーやんって絵得意なの?」
「あ、…えっと……」
別に、隠してる訳じゃないけど…勝手に正体を明かすようなことしていいのか…分からなくて戸惑う。
けど、これ以上誤魔化しきれなくて、河木くん達に涼の正体を明かした。
ともだちにシェアしよう!