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(夏喜side) 「「「プロの芸術家!?」」」 思わず三人の声がハモってしまう。 羽野は戸惑いながらも「…うん」と俯きながら答えてくれた。 (不思議な人だなとは思っていたけど…まさか、プロの芸術家だなんて……) 同じ高校一年で、こんなにも人生違うのかと初めて目の当たりした気分だった。 「あ、け…けど、へ偏見的…といいますか……そ、そういう特別な目で…み、見ないで……欲しい……んだ」 驚いた。 自分のことはもちろん、他人のこともとやかく言わない羽野が、涼さんを庇ってることに。 …いや、庇ってるというよりも、守ってるっていう表現の方がいいのかもしれない。 また、二人だけの特別な空間が見えたようで…二人にしか分からない、過去があるようで、胸がキリッと痛んだ。 (……?なんで痛むんだ??) 思わず胸に手を当てて、問いかけてみる。 「……あの、さっきから夏喜は何してんの?」 「……え!?…あ、いや、最近体調悪いなぁって…「ええ!!つっきー大丈夫なの!?」 陽斗が顔を真っ赤にさせながら俺の肩をガクガクと揺らす。 「…ちょっと、ひろくん?そんな事したら余計夏喜の体調悪くなるよ?」 「え!?」と大きく叫ぶと、陽斗は俺の肩をパッと離した。 「まぁ、どうせ体調悪いってのも嘘なんだろうけど」 蓮の言葉にドキッとする。…いや、体調悪いっていうのは嘘じゃないだろう……胸も痛いし… 蓮の言葉にまた陽斗が反応して「う、嘘なの!?」なんてクラス中に聞こえる声で叫ぶから厄介だ…。 「だ、大「嘘じゃないって!」 蓮に抗議しようと思って、声を出した瞬間、羽野のタイミングと重なってしまう。 「あ、ごめ…「ううん、どうしたの?」 こうやって羽野が自ら話してくれるのはレアだから、一つも逃したくないんだ。

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