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(蓮side)
ほんっと…夏喜には呆れる……
なに、冬麻くんに気使わせてんのよ…
「き、嫌い…とかじゃ…な、ないんだけど」
オロオロと慌てる夏喜。
冬麻くんは少し気まずそうに、体を揺らしていた。
(どっちも不器用だからなぁ…)
冬麻くんは可愛らしくて良いんだけど、何故か夏喜の不器用さは見ていてイラつく…冬麻くんが可哀想でしかたない。
そのまま二人とも何も発さず、気まずい雰囲気のまま、時間は一刻と過ぎていく。
周りの奴らも、雰囲気の違いに気づいたのかキョロキョロとこちらを見ていた。
(はぁぁ…ちゃんと説明してあげろよ、夏喜…)
多分、なんて説明したらいいのか分からないんだろう。夏喜にとったら、自分の気持ちにさえ気づいてない状態なんだから。
それを冬麻くんに説明しろだなんて、無理な話だ。
「あ、じゃあさ!!!」
突然、俺と一緒に気まずい雰囲気を眺めていたひろくんが大声を出す。
突然の声にクラス中がビクッと肩を震わせた。
「ひろくん、うるさい!!」
「あ、ご…ごめん!!」
申し訳なさそうに目を細めるひろくん。
…別に、そんなに怒ってないけど……
声の主がひろくんだと分かったのか、クラス全体がまた、ザワザワと騒がしくなった。
「……で、なに?」
大声を出したひろくんに要件を聞く。
「あ、じゃあさ!俺思いついたんだけど…」
ひろくんはそう言うと、大声を気にしたのか、少しだけ小さい声で要件を言った。
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