173 / 437

┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈

(蓮side) ほんっと…夏喜には呆れる…… なに、冬麻くんに気使わせてんのよ… 「き、嫌い…とかじゃ…な、ないんだけど」 オロオロと慌てる夏喜。 冬麻くんは少し気まずそうに、体を揺らしていた。 (どっちも不器用だからなぁ…) 冬麻くんは可愛らしくて良いんだけど、何故か夏喜の不器用さは見ていてイラつく…冬麻くんが可哀想でしかたない。 そのまま二人とも何も発さず、気まずい雰囲気のまま、時間は一刻と過ぎていく。 周りの奴らも、雰囲気の違いに気づいたのかキョロキョロとこちらを見ていた。 (はぁぁ…ちゃんと説明してあげろよ、夏喜…) 多分、なんて説明したらいいのか分からないんだろう。夏喜にとったら、自分の気持ちにさえ気づいてない状態なんだから。 それを冬麻くんに説明しろだなんて、無理な話だ。 「あ、じゃあさ!!!」 突然、俺と一緒に気まずい雰囲気を眺めていたひろくんが大声を出す。 突然の声にクラス中がビクッと肩を震わせた。 「ひろくん、うるさい!!」 「あ、ご…ごめん!!」 申し訳なさそうに目を細めるひろくん。 …別に、そんなに怒ってないけど…… 声の主がひろくんだと分かったのか、クラス全体がまた、ザワザワと騒がしくなった。 「……で、なに?」 大声を出したひろくんに要件を聞く。 「あ、じゃあさ!俺思いついたんだけど…」 ひろくんはそう言うと、大声を気にしたのか、少しだけ小さい声で要件を言った。

ともだちにシェアしよう!