174 / 437

┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈

「………はぁぁぁ!?」 ひろくんの要件に夏喜は驚きの声をあげる。 冬麻くんも「えっ」と小さく声をあげた。 確かに、ひろくんの言った要件…いや、アイデアはかなりぶっ飛んだもの。 けど…… 「いいじゃん」 「はぁ!?」 俺はかなり気に入ってしまった。 「夏喜、決定な」 「ちょ、待って…… キーンコーンカーンコーン 朝休み終了を知らせるチャイムに、慌てる夏喜を置いといて、俺はひろくんを引っ張りながら教室の外へと向かう。 「じゃあ、教室帰るから、今日実践しろよ」 夏喜と冬麻くんにウインクをして教室を去ると、教室から俺を止める夏喜の声が聞こえてきた。 「あ、あのさ…良かったの?」 アイデアを出した張本人のひろくんが、何故か不安そうに俺に問いかけてくる。 「いいのいいの」 どうやら、最近のひろくんはどこか冴えてるみたいだ。 ┈┈┈┈┈┈ 放課後… 「あ、あの…」「良かったら…なんですけど…」「か、彼女とか…」 「はぁ……」 うちのバカな女子達が涼くんにアピールしていた。 (やめてよ…有名進学校の涼くんに…バカなうちの高校が……) まぁ、有名進学校の制服を着ているから、アピールしているという所もあるんだろうけど。 「涼くん」 俺が声をかけるとこちらを見てふわっと微笑む。 逆に周りの女子達は顔を真っ青にさせてパッと退いた。 「ごめんね、少し遅れちゃった」 「いや、別に良いんだけど…蓮って怖がられてんの?」 涼くんがチラリと周りを見渡す。 先程まで騒いでた女子だけでなく、他の生徒達も一歩下がってこちらを見ていた。 「……さぁ?そうなんじゃない」 正直言って興味ないし、俺は夏喜やひろくんと違って仲良くなんかしてやんない。 「ふーん…」 興味なさげに答える涼くんは、どちらかというと俺のタイプだろう。 受け答えはするが、女子の懸命なアピールにも視線を合わさず、サラッとかわしていく。 俺と初めて話した時だって態度一つ変えなかった。

ともだちにシェアしよう!