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「…で、ホントの理由はなに?」
「……え?」
突然涼さんがそんな事を俺に問いかけてくる。
「俺とつっきーが一緒に帰るなんて…なんか理由でもあるんでしょ?」
…まぁ、そりゃ疑うよな……
「実は…何ですけど…」
俺は涼さんに、今日言った羽野の言葉を繰り返し伝えた。
「…へぇ、冬麻はつっきーが俺のこと嫌いだと思ってたんだ」
「……らしいんですけど」
「まぁ、俺もそう思ってたけど」
「え!?」
びっくりして大声を上げてしまう。
咄嗟に口を塞いだが、涼さんは「ふふっ」と小さく笑った。
「逆に違うの?(笑)」
「ち、違うのって…」
別に涼さんを嫌ってる訳でも、苦手な訳でもない…冬麻と距離が近いってのが…引っかかるだけ。
「なーんだ(笑)俺、嫌われてなかったんだ」
「そ、そんな風に…見えてました?」
「めちゃめちゃ見えてた(笑)」
マジか……今度から気をつけなくちゃ…
「ていうか、それがなんで二人で帰ることに繋がんの?」
心の中で決意している俺に、涼さんは更に疑問を重ねてくる。
「あ、…それなんですけど……」
正直言って…俺も納得いってない所だ…
「俺と涼さんが仲良くする事が、羽野への誕生日プレゼントでいいんじゃないかって…」
涼さんが驚いた顔でこちらを見てくる。
…そりゃそうだろう、こんな誕生日プレゼント…聞いた事ないんだから……
「え、っと……冬麻がつっきーに頼んだ誕生日プレゼントって…それ?」
目をまん丸にしながらそう問いかける。
「いや、羽野は欲しいものないって言ったんですけど……陽斗が…」
涼さんが「マジかぁ」と笑いながら呟く。
陽斗と蓮のおかしな考えに、涼さんを巻き込んでしまって申し訳なかった。
「あの…すみませ「じゃあ、敬語やめよ」
「…へ?」
思ってもみなかった言葉に変な声を出してしまう。
「だって、俺とつっきーが仲良くなる…それが冬麻への誕生日プレゼントなんでしょ?いつまでも敬語だったら、仲良くなんかなれないよ」
……直ぐに対応出来る涼さんも、なかなか変な人なのかもしれない…
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