178 / 437

┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈

「…で、ホントの理由はなに?」 「……え?」 突然涼さんがそんな事を俺に問いかけてくる。 「俺とつっきーが一緒に帰るなんて…なんか理由でもあるんでしょ?」 …まぁ、そりゃ疑うよな…… 「実は…何ですけど…」 俺は涼さんに、今日言った羽野の言葉を繰り返し伝えた。 「…へぇ、冬麻はつっきーが俺のこと嫌いだと思ってたんだ」 「……らしいんですけど」 「まぁ、俺もそう思ってたけど」 「え!?」 びっくりして大声を上げてしまう。 咄嗟に口を塞いだが、涼さんは「ふふっ」と小さく笑った。 「逆に違うの?(笑)」 「ち、違うのって…」 別に涼さんを嫌ってる訳でも、苦手な訳でもない…冬麻と距離が近いってのが…引っかかるだけ。 「なーんだ(笑)俺、嫌われてなかったんだ」 「そ、そんな風に…見えてました?」 「めちゃめちゃ見えてた(笑)」 マジか……今度から気をつけなくちゃ… 「ていうか、それがなんで二人で帰ることに繋がんの?」 心の中で決意している俺に、涼さんは更に疑問を重ねてくる。 「あ、…それなんですけど……」 正直言って…俺も納得いってない所だ… 「俺と涼さんが仲良くする事が、羽野への誕生日プレゼントでいいんじゃないかって…」 涼さんが驚いた顔でこちらを見てくる。 …そりゃそうだろう、こんな誕生日プレゼント…聞いた事ないんだから…… 「え、っと……冬麻がつっきーに頼んだ誕生日プレゼントって…それ?」 目をまん丸にしながらそう問いかける。 「いや、羽野は欲しいものないって言ったんですけど……陽斗が…」 涼さんが「マジかぁ」と笑いながら呟く。 陽斗と蓮のおかしな考えに、涼さんを巻き込んでしまって申し訳なかった。 「あの…すみませ「じゃあ、敬語やめよ」 「…へ?」 思ってもみなかった言葉に変な声を出してしまう。 「だって、俺とつっきーが仲良くなる…それが冬麻への誕生日プレゼントなんでしょ?いつまでも敬語だったら、仲良くなんかなれないよ」 ……直ぐに対応出来る涼さんも、なかなか変な人なのかもしれない…

ともだちにシェアしよう!