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「……はぁ、やっぱ涼さんって分かんねぇ…」 どこまでいっても謎で秘められている涼さんに頭をガシガシと掻く。 芸術家っていうものは…誰でもああいう感じなのだろうか… (……ん?) 顔をあげ、涼さんが通った道を見る。 (なんだ…あれ……) 目線の先にはキラリと光る宝石の様なもの。 涼さんが落としたのかと思い、駆け寄ると手に取った。 (うわっ、めっちゃ高そう…) 宝石のように見えたものは、シルバーの美しいブレスレット。 リングになってるブレスレットには、何かの花の様なものが掘られていた。 (綺麗……) これがホントに涼さんのものだとしたら…さっき言ってた花なのだろう。 …昔は迷わずに言っていた、大好きな花… 「つっきー?」 立ちすくむ俺に、運良く涼さんが帰ってくる。 「あ、あのこれ」 差し出した手の中を見て、一瞬驚いたような顔を見せる。 「…あっ、ありがとう」 が、直ぐに落としたと気づいたのか、ふわりと微笑み受け取った。 「はい、ココア」 涼さんは「お金いらないから」といい、俺にココアを差し出す。 「えっと…ごめん、俺ココアは……」 「あ、苦手だった?ごめんね」 申し訳なさそうに眉を下げ、手を合わせる涼さんに「大丈夫」とだけ答えた。

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