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もう一つ買ってきたのか温かいお茶を差し出してくれる涼さん。 そのまま隣に座るとココアを一口飲んだ。 「…あの、そのブレスレットに彫られてる花って」 「ん?これ?」 ふわりと微笑み、腕に付けたブレスレットをチラリと見せる。 「何の花かは教えてあげないよ?」 「え?」 聞きたかった質問を見越してか、先にそう答えた。 「ふふっ、つっきーには教えてやんない」 意地悪そうな顔を見せ、ブレスレットを眺める涼さんはどこか楽しそうで、 先程の寂しそうな微笑みとは違っていた。 「な、何で教えてくれないの?」 「え〜、俺はそこまで優しくないよ?」 いやいやいや…優しいとかそういう問題じゃ… 「言っとくけど、蓮にも陽斗にも教えないからね」 「…え、何で」 てっきり、俺以外には教えるのだろうと思っていた考えを簡単に覆し、また意地悪そうな表情を見せる。 「だって、秘密は多い方がいいって言うじゃん」 そう言う涼さんは、当たり前でしょ?とでも言うように首を傾げ、またココアを一口飲む。 どうやら、蓮や陽斗よりも、この人は どこかズレてるみたいだ。

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