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「で、何処が好きなの??」 改めてそう聞いてくる風隼さんに恥ずかしくて目線を外したくなる。 (…何処がすきだなんて……) 「ぜ、全部……」 嫌いな所なんか何処も浮かばなくて、むしろ全てに好きが溢れ出ていて、思わずそう呟いてしまった。 (…え、僕なにを……) 気づいた時には時すでに遅し。 ハッとして風隼さんを見れば、先程にも増してニヤニヤを全面に出していた。 「い、いや…その」 「へぇ〜、夏喜の全部が好きなんだぁ」 面白いおもちゃが見つかったかの様な怪しげな瞳に思わず後退りしてしまう。 「嫌いな所なんか見つからない…と」 面白がり始めた風隼さんは、そのままジリジリと僕に近づく。 後退りする僕と追い詰めてくる風隼さん…。 気づいた時には後ろは壁で、これ以上後は無くなった。 「…あ、あの……」 こういう時の風隼さんの考えは、誰にも分からない。どんな爆弾を更に落としてくるのか、それとも爆弾を相手に落とさせるのか…… 「ねぇ、なんで後退りすんの?」 怪しげに笑った風隼さんは僕の髪をサラッと触る。 その時に触れた、風隼さんのふわふわな袖に「このパジャマもひろさんが買ってきたのかな」なんて場違いな事を考えていた。 「あぁぁぁぁ!!!!何やってんの!?」 助かった事にお風呂から上がったひろさんが部屋の中に入ってきてくれる。 そのまま僕と風隼さんをベリッと剥がした。

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