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┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
「ちぇ、ひろくんがいなかったら面白い展開だったのに…」
「え!なになになに!?」
ホッとしたのも束の間
(や、やばい…ひろさんが興味持ち出してる)
「それはねぇ」
焦る僕を他所に風隼さんがニヤニヤしながら伝えようとした、その時だった。
「ご飯出来たよ〜」
「あ〜ぁ、時間切れだ」
幸い、ご飯を知らせる声が1階から聞こえてくる。「はーい」と風隼さんが答えると、駄々を捏ねるひろさんを放っといて、部屋を出ていった。
┈┈┈┈
「ふぅ〜、お腹いっぱいだぁ」
久しぶりに食べた、温かくて優しい晩御飯に手も口も進み、知らぬ間に食べ終わっていた。
「ふふっ、冬麻ちゃんはたくさん食べてくれるから、おばさん嬉しいわぁ」
と、冬麻ちゃん……
どうやらひろさんのフレンドリーさはお母さんから来てるらしい。
「じゃあ持っていきますねぇ」
「あ、て…手伝い「いいのいいの!冬麻ちゃんはゆっくりしてってぇ」
ひろさんのお母さんはそう言うと、パチンとウインクをする。
……ひろさんの心の広さは、お母さん似だったんだ。
「ふはっ(笑)冬麻くん、おばさんに気に入られちゃったね」
「え?」
「ホントだよおお!俺だけだったら手伝え煩いんたよ!!」
「……陽斗?」
「ひっ!す、すみませっ……」
「ったく、もうちょっと冬麻ちゃんを見習って欲しいものね」
そう言うお母さんは幸せそうで、心が暖かくなった。
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