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(蓮side) 「ちょっと、ひろくん急いでよ!!」 「そ、そんなこと言われてもぉぉ……」 俺たちは今、極地に立たされている。 原因はこいつ… 「寝坊するひろくんが悪いんでしょ!!」 「ごめんてぇぇぇ(泣)」 ひろくんの寝坊だ…。 昨日新しいスマホゲームに嵌ったらしく、夜中まで熱中してたらしい… 俺のチャイム音で目覚めたひろくんは顔を真っ青にさせ、「…れんれん、助けて(泣)」と抱きついてきた。 「熱中するのは勝手だけど…寝坊はねぇだろ」 「…反省してます」 しゅんとするひろくんを見て、笑いそうなのを堪える。あくまで俺は怒ってるんだ。 それに… 「なんで俺まで…」 俺が来るまでに出来ている予定だった大量の料理は案の定、出来ているはずもなく、俺が手伝うことに。 二倍のペースで頑張った事で、完成まじかだが、そろそろ冬麻くん達が到着する時間… ひろくんがゆっくり来るよう夏喜に頼んだらしいが…無理だろう 「あら、まだ完成してないの?」 「おばさん!?」 今日は仕事で居ないはずじゃ… 「お弁当忘れたから、一旦帰ってきたのよ」 おばさんは苦笑いしながら机の上にあるお弁当を取り、鞄の中に入れる。 「もう料理は出来た?」 「……まだ」 「ええええ!もうすぐ冬麻ちゃん来るんでしょ!?」 おばさんのびっくりした声がキッチン中に響き渡る。 「…たく、貸しなさい」 呆れ顔なおばさんはひろくんから料理器具を奪うと脅威のスピードで料理を作り始めた。

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