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「…お、おおおお!!!」 「ふぅ…こんなもんかしら……」 僅か五分程で料理には先程の倍の量の料理がズラリ… 「ありがとぉぉぉぉ!母ちゃぁぁぁん!!」 ひろくんなんてもう泣きそうだ。 「本当に、ありがとうございます」 危機を救ってくれた救世主に俺もお礼を言う。 「あらヤダ!れんれんは謝んないでよ!可愛さでオールOKよ♡」 パチンとウインクをするおばさん。 なんて返したら良いのか分からず、苦笑いで返した。 「あ、じゃあ仕事いってくるわね!」 「母ちゃんありがとおお!!」 サッと腕を上げてキッチンから出るおばさんが何だかカッコ良くて 「…かっけぇ」 「え??」 「……いや」 思わず、そう呟いていた。 ピンポーン おばさんが立ち去ったとほぼ同時にチャイムの音が鳴り響く。 「来た!!!」 …ほんっとに、ギリギリだった…… 「ほら!れんれんも出迎えよ!!!」 そう言うとひろくんは俺の腕をグイグイ引っ張り玄関まで引きずられる。 「ちょ、痛いって!」 興奮しているのか、俺の言うことも聞かず、「はーい!」とデカい声で扉を開けた。 「あ、連れてきたよ」 「陽斗ん家ってデカいんだな… 」 「お、お邪魔しま…す…」 「ほら入って入って!」 「冬麻くん、改めてお誕生日おめでとう」 ブンブンと手招きするひろくんの隣で、おめでとうのメッセージを送る。 勿論、当日でも言ったが誕生日会である今日、主役は間違えなく冬麻くんだ。 「あ、ありが…とう」 照れくさそうに眼鏡を上げると、そう冬麻くんは答えてくれた。

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