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「あ、ねぇねぇ!とっきー目瞑って!!」 「え?」 戸惑う冬麻くんを他所にひろくんはキラキラの目で「早く早く!」と急かす。 やりたい事は分かる。きっと、料理をサプライズっぽく見せたいのだろう。それに、昨日二人で頑張った部屋の飾り付けも。 けどね… (料理に関してはほとんどおばさんでしょ…) 忘れているのか気にしてないのか分かんないけど、思わずそうツッコミそうになった。 目を瞑った冬麻くんの手をそっと持ち、パーティー会場となるリビングへ連れてくる。 夏喜と涼さんも初めて見る会場に「うわぁ」と小さく呟いた。 「じゃあ、いちにのさんで…開けて!」 「う、うん…」 正直眼鏡と前髪で目を瞑っているのかいないのか全くと言っていいほど分からないが、戸惑いの声からして瞑ってくれているのだろう。 嘘を付けない冬麻くんは、嘘を付かないように行動するから可愛らしい。 隣でひろくんがせっせと夏喜や涼さんにクラッカーを配る。 俺も自分のポケットからクラッカーを取り出した。 「じゃあ、いくよ……」 ひろくんがふぅ…吐息を吐く。 「いち」 少しだけ緊張感が走る。 「にの」 クラッカーを構えた。 「さん!!」 パーーン!!!!! ひろくんの合図でクラッカーを思いっきし引く。口をびっくりしたように開けているから成功だろう。 「「「「お誕生日おめでとう!!!」」」」 合図を出さずとも、おめでとうの言葉は、四人綺麗に揃った。

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