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目の前の光景に、声が出なくなる。 クラッカーで綺麗に舞った色紙に、キラキラと笑って出迎える四人… 先日来たばかりのリビングは、風船やシール、折り紙の輪っかで美しく飾られていた。 真ん中に置かれた机の上の料理はどれも豪華で目をぱちくりとさせられる。 「…え、こ…これ」 「アハハハハ!めっちゃ、とっきー驚いてんじゃん!かわいいいい!!!」 「昨日、必死に飾り付けした甲斐があったわぁ」 「ふふっ、冬麻サプライズ初めてだからって。そんな放心する?」 そ、そんなって……そんな所じゃないよ……こんなにも……盛大に……お、大袈裟じゃ…ないと……思うんだけど…… 「羽野」 感極まってる僕に、河木くんがニコッと笑いながら話しかける。 「生まれてきてくれて、ありがとう」 (……えっ) 「うわぁぁ…出たよ夏喜の甘々セリフ…」 「きゃぁぁぁ!キュンキュン来ちゃうねぇぇ」 「え?つっきーって、そういうキャラなの?」 横でコソコソと話してる三人を他所に河木くんは僕の頭をふわっと撫でる。 (な、なんか…久しぶり………だ) 河木くんからだと、いつまでも慣れないこの行為に…久しぶりの行為に胸がドキッと大きく高鳴る。 「……羽野?」 恥ずかしくて俯く僕を気にしたのか、顔を覗き込まれ、顔が自分でも分かるほど赤くなるのを感じた。

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