201 / 437

┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈

「あ、夏喜、なんか作ってよ」 「え?俺?」 「うん、ぶっちゃけひろくんのより、何倍も料理上手いじゃん」 風隼さんの言葉にひろさんが「なんだとおおお!!」と突っかかるが、華麗にスルーする。 「…いいけど、冷蔵庫の中の物、使っていいの?」 「それは全然良いよ!!この日の為に大量に買ってあるから!!」 (この日の…為に……) 何気ない一言だったのだろうけど、胸がポッと温かくなる。 「じゃあ、羽野」 「え?」 突然呼ばれて河木くんを見ると、そこにはエプロンを着用し袖を捲る河木くんの姿。 袖を捲る仕草がカッコよくて、思わず胸がドキッと高なった。 「何が食べたい?」 「…え?」 何が…食べたいって…… 「今日は、羽野の食べたいもの何でも作るよ?」 胸がキューっと締め付けれる。 「一年に一度の、大切な日を祝うんだからね」 …どうしてそんなかっこいいことを、サラッと言えちゃうのだろう… 「きゃぁぁ…やっぱつっきーって罪な男だね…」「あれが無意識って…タチ悪いわ…」 「え、あれ素なの?」 又もや三人が隣でコソコソと何か話している。 そんな光景を気にしてないのか、河木くんは椅子に腕をかけ「ん?」と微笑みながら聞いてきた。 (…食べたい、もの……) 河木くんが作るものなら、何だって食べたい。…けど 「ミートスパゲティ…」 強いて言うなら…大好きなミートスパゲティを食べたい。 「ふふっ(笑)やっぱり」 河木くんは予想が当たったのか嬉しそうに笑いながら、「ちょっと待ってて」と甘い雰囲気を漂わせてキッチンに向かった。

ともだちにシェアしよう!