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(冬麻side) 涼から貰った、花畑の絵。 心がふわりと温かくなった気がした。 その反動でか分からないけど…ひろさんの質問に口が勝手に動く。何故自分がそんな事をしたのか…自分でも分からない。 あんなにも知りたくなかった過去に関することを、自ら話すなんて… それぐらい、この絵が嬉しかったのかも… 近くでじっくりとその絵を眺める。 毎年書いてもらってた、涼の絵。 そして、サザンカとタチアオイの花びら… 一見変わらないサザンカの花に見えるけど、僕は知ってるよ? 向日葵のツルに纏われた、一輪のサザンカが枯れていること。 涼独特の繊細なタッチで…向日葵の周りには雑草が描かれていること。 守られてる枯れたサザンカとは違い、雑草はフリージアにも、ラナンキュラスの所にも細かく描かれていること。 三人が見ても気づかない程度に、紅月 涼のファンである、僕にしか分からないほど繊細に… それがね、親友として、ファンとして嬉しく思ってしまう僕は、やっぱり変かな? 『変わってるね』 あの頃と同じセリフを、涼ならそのまま繰り返すかな?

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