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三人をさっさと帰し、玄関でひろくんと二人っきりになる。
「な、なんで摘むの!?」
なんでって…
「そりゃ、二人の邪魔しようとするからだろ!!」
「じゃ、邪魔!?」
何にも気付いてないひろくんは、頭に?を三つぐらい浮かべている。
(…分かるわけないか……)
察する事なんて出来やしないか、このバカじゃ…
「はぁ…」と思いっきしため息をつき、何故邪魔になるのか、今後の予想をひろくんに話す。
「な、なるほど!!!」
やっと理解出来たひろくんは「なーんだぁ!結局二人のこと応援してんじゃーん」なんて手を叩きながら笑った。
…勘違いしないで欲しいけど、夏喜の為じゃなくて冬麻くんの為。
せっかくの誕生日、好きな人と少しでもいたいでしょ?
俺の予想が当たってたら、涼くんが融通効かせてるはず…
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(冬麻side)
外に出ると雪が降っていて凍える様に寒い。
人一倍寒さに弱い河木くんだ。大丈夫か不安になって、隣をチラッと見る。
…めっちゃ厚着……
過去見てきた中で、一番の厚着に思わず頬が緩みそうになった。
「じゃあね」
……え?
いつも河木くんと別れる所で足が立ち止まってしまう。
(な、なんで?)
今まで、用があったとしても優先して、送ってくれてたのに
そう、「じゃあね」と言ったのは河木くんではなく、涼…
思ってもみなかった言葉に戸惑いを隠せないでいた。すると、
「お前は王子と帰れ」
びっくりする間もなく、僕の家の方向に押し出される。
「羽野、帰ろ?」
顔を上げれば少しだけ下を向いた河木くんが立っていた。
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