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(な、なんで?) 河木くんと帰れることが嬉しくないはずない。 けど、何でそうなったんだ… 戸惑う僕に涼は何も言わずに近付いてくるとこっそり耳打ちする。 「以外と脈ありなんじゃない?」 「!?!?!!」 耳元で放たれた発言はあまりに衝撃的なもので、顔が一気に赤くなるのを感じた。 「…なっ」 目の前でふふっと笑う涼に、益々恥ずかしくなって、上手く言葉が出てきてくれない。 「じゃあね?つっきー、ちゃんと送ってやれよ」 「…分かってるよ」 あたふたしている間に、二人はそんな会話を交わして涼がその場から立ち去る。 「あ、ありがとう」 訳も分からない状態で、今日のお礼を完全に立ち去る前に伝えた。 涼の姿が見えなくなる。 「羽野」 突然の河木くんの声に肩がビクッと揺れた。 河木くんと二人っきりだという状況には、どれだけ経っても慣れてくれない。 緊張して、上手く言葉が出なくて…心臓が煩くなるんだ。 「…?大丈夫?」 「へ?」 「……なんか、急に萎らしくなったから…」 「そ、…そんなこと…な、ないよ」 萎らしくなってるんじゃない、緊張で少しパニクってるだけ… 「ねぇ、羽野…時間ある?」 「…ある、けど……」 別に時間がない日なんか特にないし、休日である今日なんか特にだ。 「寄ってかない?」 そう言って指さした場所は、いつもの公園。 コクリと僕は首を縦に降った。

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