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(夏喜side) 涼さんが「一緒に帰れ」と玄関先で言われた時はびっくりした。 まさか、涼さんからそう言うのを提案してくるなんて思ってもみなかったからだ。 …蓮は何か感ずいてたっぽいけど…… 公園に寄ったのは特に意味はない。 ただ、何となく…まだ帰らせたくなかったから。そんな理屈もない理由だ。 「何か飲みものいる?」 俺の問いかけに羽野は首を縦に振る。 まだ、入口付近にいたので、二人で自販機に寄った。 俺は紅茶、羽野はココアをそれぞれ選ぶ。 ふと、涼さんと公園に来た先日を思い出した。 (…あの、ブレスレットの花…サザンカだったんだ) 羽野にプレゼントした花を見て思い出した。 その瞬間、胸が大きくざわついたのと、不安に駆られたのが蘇る。 取られたくない。 特に何を言った訳でもないが、見た瞬間その一心に呑み込まれていた。 あれは一体何だったんだろう… 思い当たる節が、無いという訳では無い。 「独占欲」 その言葉が頭に浮かんだが羽野に抱く意味が分からない。 そんな事をグルグルと考えていたら、知らぬ間にベンチに着いていた。

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