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(夏喜side) 「忘れて」 そう言ったのは、羽野の為だと思っていた。 俺が無理矢理したことで羽野が思い詰めて欲しくない、気まずくなって欲しくない…その一心で言った。なのに… 「ファーストキスだったのに?」 そう言った羽野の顔は、キスした直後よりも傷ついていて、怒りというよりも…悲しみが出ていて 胸が破裂しそうなほど痛くなる。 「は、羽野…」 何とかしないとと思い、羽野の腕を思わず持つと バシッ (…え) 手を思いっきし振り払われる。 一瞬何が起こったのか分からなかった。 「…帰る」 「え?」 羽野はそれだけ言うと、スタスタと公園の出口まで向かっていく。 「…待っ「来ないで」 初めての羽野からの強い拒絶に足が止まる。 羽野が公園から出ていった後の記憶はなく、気がついた時には自分の家に着いていた。 頭の中にあるのは、傷付いた羽野の顔だけ… 何故自分がそんな事をしてしまったのか… (今まで、無理矢理キスなんて…したことない) いくら、好きな人相手でも…お付き合いをしてない以上、そんな無理矢理なことしたこと無かった。友達なんて…尚更だ。 (…謝ろう) どうこう悩んでたって仕方ない… 羽野に許して貰えないかもしれないけど、学校が始まる月曜日…必ず謝ろう。

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