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(…羽野が…俺のこと、好き?)
俺でも分かる。
羽野が言う「好き」は、友達として…とかではなく、恋愛対象として
分かっているし、もしかしたら…と先程まで思っていたが、実際に言われてしまうと…
「…りょ、涼さんじゃないの?」
何故かそんな言葉を発していて、後々から後悔するんだ。
けど、
「違う!」
直ぐに否定してくれる羽野に胸がドキンと高鳴る。
「僕が…好きなのは…か、河木くんだけ…涼は…た、大切な友達…なだけ」
話す事が苦手な羽野が、一生懸命違うということを伝えてくれる。
俺が好きだと、言ってくれている。
その温かい気持ちが、純粋に嬉しかった。
「ありがとう」
俺の言葉に羽野がブンブンと首を横に降る。
「…め、迷惑「じゃない」
迷惑な訳ない。
好きになって貰えて、それも羽野に
涙を流すほど思ってもらえてるんだから。
「嬉しいよ、羽野の気持ち。好きになってもらえて」
羽野が少しだけ顔を上げる。
ニコッと小さく笑いかけた。
「それで…「返事は…いいから」
「…え?」
羽野に気持ちを伝えることを拒まれる。
「分かってるから…へ、返事が欲しくて…言ったわけじゃ……ない、し…」
羽野の言い方からすると、告白するつもりなんて無かったのだろう。
…これから先も、ずーっと
「…聞いて」
羽野の手を優しく撫でる。
羽野は恐る恐る俺の目を見た。
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