237 / 437
┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
「とーうまくん♡」
放課後、俺はひろくんを引っ張ってまだ教室にいる冬麻くんに会いに来た。
「え…ど、どうしたの?」
突然の訪問に冬麻くんは驚いたように声を詰まらせる。
「今日なんか特別な用事とかある?」
俺の質問に戸惑いながらも首を横に振った。
「良かった♡じゃあ、今日ひろくん家で」
「え!!」
何故連れ出されたのか分かってないひろくんは、俺の言葉に大声を上げる。
「大丈夫、おばさんには言ってあるから」
「いやいや…そういう問題じゃ…」
横でぶつぶつ言ってるひろくんはほっといて…
「良いでしょ?」
少し俺が首を傾げて上目遣いをすれば、冬麻くんは慌てたように目線をキョロキョロさせる。
「ダメ?」
最後のひと押しで冬麻くんの裾を引っ張ったら…
「い、…いい…けど」
冬麻くんの優しいとこ、大好きだよ♡
未だ慌てふためいてるひろくんをほっといて…
(これで、無理矢理でも冬麻くんに聞き出そう…)
そう決意した。
┈┈┈┈┈┈┈┈
夏喜と冬麻くんを少し待ち、合流したら校門まで向かう。
「りょーやぁぁん!!」
相変わらず、立ち姿だけでも異彩を放っているなぁ…なんて思いながら涼さんの方へ足を進めた。
「ちゃんと仲直り出来たんだ」
一緒にいる二人を見ながら涼くんはサラッと冬麻くんの隣に着く。
(うわ…ピリついてるわ……)
涼くんと冬麻くんを見て、ピリつくのはいつものこと。
だが、昼休みの違和感からか、嫉妬深い彼氏の様に見えてならない…
「あ、今日俺と冬麻くんはひろくん家に泊まるから」
揃ったタイミングで二人にそれを伝えると、夏喜は「え?」といった表情を、涼くんは驚きもせずにふわっと優しく笑った。
ともだちにシェアしよう!