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「お風呂…お借りしました…」 パジャマ姿の冬麻くんが部屋に帰ってきた。 「じゃあ俺はい…「俺入りたい」 ひろくんが入ろうとしたので、抗議の声を上げる。 「なんで!?」 なんでって言われても… 「別にいいじゃん」 特に理由はない。ひろくんを何となく邪魔したかったから 「よ、良くなーい!!」 「は?」 逆に何の理由があんのよ… 「いいから!お、俺が先入る!」 意味わかんないひろくんだが、そんなにも入りたいなら…と先に譲った。 先程とは違い、冬麻くんと二人っきりになる。 「あ、あの…」 「ん?」 普段は自分から話しかけない冬麻くんが自分から話し出してくれてびっくりした。 「か、風隼さん…って…」 何故か冬麻くんはモジモジしていて、頭を傾げる。 「ひ、ひろさんが…好き…なんですか?」 (…は?) 珍しく自分から話し出してくれた内容は、あまりに衝撃的なもので…俺は驚きを隠せないでいる。 「あ、い…いや、違ったらごめ…「なんで?」 冬麻くんが「へ?」と声を上げた。 「なんで…そう思ったの?」 色恋沙汰に鈍感そうな冬麻くんが、何故気付いたのか… 「な、何となく…ですけど……か、風隼さんが…ひろくんに構ってる時…凄く…し、幸せそうで」 …幸せ? 「そ、それに…見てて、とっても…お似合い…だから」 冬麻くんの言葉に思わず「ふはっ」と笑ってしまう。 案外、色恋沙汰に鈍感ではなかったようだ。 「え、えっと…「正解」 はぁ…と一つため息をつき、冬麻くんも向き合う。 「俺は、ひろくんがずっと好きだよ」 まさか、初めて俺の気持ちに気づいたのが冬麻くんだなんて…思いもしなかった。

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