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「あ、あの…お、起きて…」 僕の言葉にも風隼さんもひろさんもビクともしない。 「お、起きて…!」 ちょっとだけ大きな声を出してみたが、「んぅ…」と小さく唸るだけで起きる気配が感じられなかった。 (ど、どうしよ…) 涼も中学の時は学校をサボって、よく屋上で寝ていたが、起こすことなどした事ない… (ら、乱暴なことは…出来ないし……) 声で起きないならばと、風隼さんの肩を軽く揺らしてみる。 先程よりも反応を示したので、いける!と思った…の、だが… ギュッ 「!?!?」 突然腕を引っ張られたかと思いきや、気づいた時には腕の中… (は、恥ず…か……) 完璧に抱き枕扱いされてる僕は、「お、起きて…」と呟きながらも、早く解放されようと腕の中で抵抗していた。 「…ん、おはよ」 僕の努力が叶ったのか、風隼さんが眠そうに目を擦りながら、そう挨拶してくれる。 「お、おはよう…ございます」 が、何故かまだ腕の中で… 「あ、あの…」 「ん?なに?」 「…う、腕を……」 何を言っているのか、風隼さんは腕を見て「あぁ〜」と理解したが、一向に話してくれない。 「え、…あ、あの……」 予想外の展開に戸惑っていたら、 「俺のようかん取らないでぇぇえええ!!!!」 その戸惑いを取っ払うみたいに、ひろさんのおかしな寝言が部屋に響き渡った。

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